会長挨拶Message
きっかけは2006年でした。
このころから、透析学会ですこしずつVAエコーに関する発表がなされていました。ただ、正しい方法かがわからず、皆、模索している状態でした。その時に「標準的な考え方や方法があればなあ」と痛感いたしました。しかしその方法がわかりませんでした
血管エコーに習熟している医師や技師は、一般的に透析や穿刺に関する知識が不足しています。しかしその一方、透析にかかわっている医療者は、血管エコーに習熟していません。架け橋になるものがなく、それぞれの問題点を消化しきれていない状態だったのです。
「両者が一同に集まって、それぞれを補完すれば、標準的な検査法が確立できるのではないだろうか?そうか、研究会を作ったらどうだろう!」そのような思いで2008年に本研究会は発足いたしました。
多くの方の努力で、その後、VAエコーの普及は管理・診断にとどまらず、穿刺やPTAでも使用されるようになってきました。少しずつ標準化の道も見えてきています。
年1回開催される本研究会は、医師だけでなく、臨床検査技師、看護師、臨床放射線技師、臨床工学技士など多職種が集い、多くのディスカッションがなされています。また、本研究会はまだプローブを持ったことがない初心者の方へのビデオセミナーやハンズオンセミナーを行っており、VAエコーを気軽に始められるきっかけを作りにも取り組んでいます。
多くの方が研究会やハンズオンに参加していただくことを願っています。そして、血液透析患者の命綱ともいえるシャントを長く使えるように、VAエコーの知識を更新し、技術を磨いてください。
バスキュラーアクセス超音波研究会
代表世話人 春口洋昭